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利益相反とは

  • 執筆者の写真: 司法書士 上野博子
    司法書士 上野博子
  • 10月17日
  • 読了時間: 2分

相続手続を進める上で、注意しなければいけないことの一つが「利益相反」です。利益相反とは、当事者が複数いる場合に、一方にとっては有利となり、他方にとっては不利益となることを言います。

<未成年者や成年被後見人が共同相続人の場合>

(1) 遺産分割

相続人が複数人いる場合は、原則として遺産分割を行い、誰がどの財産を取得するかを相続人全員で決める必要があります。遺産分割は、相続人全員が合意すれば自由に分割方法を決めることができますが、相続人とその相続人の法定代理人が共同相続人であれば、双方の間で利益が相反することになります。

たとえ未成年者や成年被後見人に有利な遺産分割をしたとしても、遺産分割という行為自体が利益相反行為であることから、代理人として行動することはできません。

(2) 相続放棄

相続人となった場合、遺産を相続せず相続放棄をするという選択肢もあります。相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったとみなされます(民法 第939条)。

相続人全員が相続放棄をする場合、それによって利益を得る人がいないため、利益相反行為に該当することは基本的にはありません。しかし、法定代理人が未成年者や成年被後見人を代理して、未成年者や成年被後見人にのみ相続放棄をさせることは、利益相反となるため認められません。

<利益相反が問題となった場合の対処法>

親権者や後見人が代理行為をできない場合は、特別代理人を選任する必要があります。

特別代理人は、子どもや成年被後見人の代理として、家庭裁判所が定めた行為を代理するという限定的な権限を有します。特別代理人の人選や資格については法律上特に規定はありませんが、一般的に相続について利害関係がない親族や、弁護士などの専門職から選任されることがほとんどです。

遺産相続にまつわるご相談などぜひお気軽にご相談ください。

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