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簡易裁判所ってどんなところ?

  • 執筆者の写真: 司法書士 伊藤博英
    司法書士 伊藤博英
  • 9月26日
  • 読了時間: 3分

 簡易裁判所は、市民にとって身近で利用しやすい司法を実現するために比較的少額の民事事件や軽微な刑事事件を簡易かつ迅速に処理するために昭和22年5月3日に新憲法と同時に施行された裁判所法に基づいて創設された裁判所です。


簡易裁判所の民事事件では、当事者による手続きを容易にし、迅速な解決を図るために地方裁判所等で行われる訴訟手続きが簡略化されています。また、簡易裁判所は、身近な司法を実現するために、全国各地に多数設置されていますので、司法アクセスが容易で当事者の居住地に近い場所で訴訟などの手続きを利用することができます。簡易裁判所は、市民にとって最も利用し易い紛争解決の手続きを選択することができる身近な裁判所なのです。


簡易裁判所の手続きで、当事者自身で利用し易い手続きとしては、民事調停手続きと少額訴訟手続きがあります。民事調停手続きは、民事に関する紛争(夫婦や親子など一定の身分関係のあるものの紛争を除く)を簡易裁判所の調停委員会(調停主任裁判官と民間人2名で構成)のサポートを受けて、当事者自身が主体的に紛争解決に向けて話し合い、相手方の言い分を踏まえて、紛争当事者が互いに譲歩することで当該紛争の実情に即した適切で妥当な解決を目指す手続きです。相手方が一切話し合いに応じない場合や一切譲歩する姿勢のない場合には、民事調停での話し合いによる解決は、難しい場合もありますが、少なくとも相手方の言い分やこだわりが分かることもあります。


 次に、話し合いによる解決ではなく、裁判所による判断を求めたい場合に利用することができる手続きとして少額訴訟手続きがあります。少額訴訟は、60万円以下の貸金請求などの金銭請求について、原則として、1回の期日で審理を終了して、和解が整わない場合には、審理終了後に直ちに判決が言い渡されます。そのため、少額訴訟では、利用回数や判決に対する不服申立て、証拠についても1回の期日で審理を終わらせるために、即時取り調べることができるものに制限されていますので、簡易裁判所の民事訴訟手続きを更に簡易化した訴訟手続きです。ただし、相手方が少額訴訟ではなく、通常の民事訴訟手続きを希望した場合には、簡易裁判所での通常の手続きで審理されることになることもあります。少額訴訟は、紛争当事者本人による手続き利用を想定した制度ですので、金銭トラブルで困った際には、利用を検討してみてください。


 また、少額訴訟の利用に不安がある際には、お近くの簡裁裁判所での手続相談や市役所などの無料相談を利用することもできますので、泣き寝入りすることなく、少額訴訟手続き利用をしてみてください。

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